
産後パパ育休(出生時育児休業)は、子どもが生まれた直後の時期に取得できる、通常の育児休業とは別枠の休業です。押さえる数字は「8週間・28日・2回まで・申出は2週間前まで」の4つです。
対象期間が出生後8週間以内と短いため、出産後に慌てて調べ始めると、取得日程を組む余裕がなくなります。この記事では、基本ルール、通常の育児休業との違い、会社への申出の進め方、給付金までを順に整理します。
この記事について(必ずお読みください)
本記事は、こども家庭庁・厚生労働省などの一次情報に基づく制度の一般的な解説です。個別の事情に応じた税務・労務の相談には対応していません。金額・条件は2026年10月時点の情報で、変わることがあります。申請前に、勤務先・ハローワーク・市区町村や公式情報で必ず最終確認をしてください。
この記事で分かること
- 産後パパ育休の対象期間・日数・分割回数の基本ルール
- 通常の育児休業との違い(期間・申出期限・分割回数)
- 会社への申出の期限と、分割取得の申し出方
- 出生時育児休業給付金の計算方法と申請の流れ
妊娠〜育休までの手続き全体の中での位置づけは、ハブ記事で確認できます。
妊娠から育休まで、パパがやる手続きチェックリスト|期限順タイムライン
産後パパ育休の基本ルール
対象期間は「出生後8週間以内」
- 何を:出生後8週間以内の期間に取得できる休業です。通常の育児休業とは別枠で設けられています
- 取得できる日数:合計28日(4週間)まで
- 分割:2回まで分割して取得できます
ポイントは、「28日」を8週間の枠の中でどう配分するかです。連続してまとめて取ることも、2回に分けることもできます。
分割する場合は、最初にまとめて申し出るのが原則
2回に分けて取得する場合は、最初に2回分をまとめて申し出るのが原則です。「まず1回目だけ申し出て、2回目は様子を見てから」という進め方にならないよう、申し出る時点で2回分の日程まで決めておきましょう。
通常の育児休業との違い
混同しやすい通常の育児休業と並べると、違いは次のとおりです。
| 項目 | 産後パパ育休(出生時育児休業) | 通常の育児休業 |
|---|---|---|
| 取得できる期間 | 出生後8週間以内 | 原則、子が1歳になるまで(要件により最長2歳まで) |
| 日数・分割 | 合計28日まで・2回まで分割可 | 原則2回まで分割取得可 |
| 会社への申出期限 | 原則、休業開始の2週間前まで | 原則、休業開始の1か月前まで |
| 給付金 | 出生時育児休業給付金(67%) | 育児休業給付金(67%→支給日数181日目以降は50%) |
実務上いちばん間違えやすいのは申出期限です。通常の育児休業の「1か月前」と同じ感覚でいると、産後パパ育休の「2週間前」に間に合わない可能性があります。両方を取る予定がある場合は、それぞれの期限を別々に管理してください。
会社への申出の進め方
ステップ1:8週間の枠の中で日程を決める
まず出生予定日をもとに、出生後8週間の終了日を確認します。その枠の中で、取得日数の合計が28日以内、分割は2回までになるよう日程を組みます。取得パターンの例は後半にまとめています。
ステップ2:原則2週間前までに勤務先へ申出
- いつまでに:原則として、休業開始の2週間前まで
- どこへ:勤務先(申出書の様式や提出方法は勤務先の案内に従います)
- 分割する場合:2回分を最初にまとめて申し出るのが原則です
続けて通常の育児休業も取る場合は、そちらの申出期限(原則1か月前)も別にあります。産後パパ育休の申出とあわせて、通常の育児休業の申出も済ませておくと漏れが防げます。
育休を取る前に会社に伝えること|申出は1か月前まで、伝える内容と段取り
休業中に就業できる仕組みもある
労使協定がある場合などは、本人の申出により、休業中に一定範囲で就業できる仕組みもあります。すべての勤務先にこの仕組みがあるわけではないため、利用を考える場合は、労使協定の有無や就業できる範囲を事前に勤務先へ確認してください。
給付金:出生時育児休業給付金
金額の計算方法
産後パパ育休を取得すると、出生時育児休業給付金の対象になります。金額の計算式は次のとおりです。
- 賃金日額 × 取得日数 × 67%
28日すべてを取得した場合でも、計算の基本は「実際に取得した日数」です。取得日数が変われば、給付額もその分変わります。
申請は勤務先経由でハローワークへ
- どこへ:申請は勤務先経由でハローワークへ行います
- 進め方:給付金の申請には期限の考え方があるため、休業の申出をした時点で、必要書類と申請スケジュールを勤務先に確認しておきましょう。取得枠が出生後8週間と短い制度なので、申請準備も申出と同時に進めるのが安全です
上乗せの「出生後休業支援給付金」も確認を
2025年4月に新設された出生後休業支援給付金は、育児休業給付金などに賃金日額×本人の休業日数(上限28日)×13%が上乗せされる制度です。主な条件として、本人が対象期間内(父親は出生後8週間以内)に通算14日以上の育休等を取得することなどがあります。産後パパ育休の日程を組むときに、あわせて確認しておきたい制度です。
出生後休業支援給付金とは?夫婦で14日ずつ休むと手取り10割相当になる条件
取得パターンの例
以下は日程の組み立て方の一般的な例示です。勤務先の状況や家庭の事情に合わせて調整してください。いずれのパターンも「出生後8週間以内・合計28日まで・2回まで」が前提です。
パターン1:まとめて28日
出生後すぐに、合計28日を連続して取得するパターンです。申出も1回で完結し、日程が最もシンプルです。
パターン2:14日+14日に分割
前半と後半に14日ずつ分けるパターンです。合計28日をすべて使い切ります。分割する場合は、2回分を最初にまとめて申し出るのが原則です。
パターン3:7日+7日に分割
7日ずつの短い休みを2回取るパターンです。合計は14日になります。出生後休業支援給付金の「本人が通算14日以上」という条件を考えるうえでも、合計日数の数え方は確認しておきたいポイントです(支給には他の条件もあります)。
申出までのチェックリスト
- □ 出生予定日から、出生後8週間の終了日を確認した
- □ 取得日数の合計が28日以内になっている
- □ 分割回数が2回までに収まっている
- □ 分割する場合は、2回分の日程を最初にまとめて申し出る準備ができている
- □ 休業開始の2週間前までに申出できる日程になっている
- □ 通常の育児休業も取る場合、その申出期限(原則1か月前)を別に確認した
- □ 労使協定による「休業中の就業」の仕組みが勤務先にあるか確認した
- □ 出生時育児休業給付金の必要書類・申請スケジュールを勤務先に確認した
- □ 出生後休業支援給付金の条件(本人が対象期間内に通算14日以上など)を確認した
まとめ
- 産後パパ育休は、出生後8週間以内に合計28日まで、2回まで分割取得できる別枠の休業
- 会社への申出は、原則として休業開始の2週間前まで(通常の育児休業の1か月前と混同しない)
- 分割する場合は、最初にまとめて申し出るのが原則
- 給付金は出生時育児休業給付金で、賃金日額×取得日数×67%。申請は勤務先経由でハローワークへ
- 条件を満たせば、出生後休業支援給付金(+13%)の上乗せも確認を
公式情報へのリンク集(一次情報)
申請前の最終確認は、必ずこちらで行ってください。
- 厚生労働省(育児・介護休業法、産後パパ育休、給付金など):https://www.mhlw.go.jp/
- ハローワーク インターネットサービス:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
- 勤務先の就業規則・育児休業規程(申出様式、労使協定の有無など)
再掲・ご注意
本記事は制度の一般的な解説であり、個別の税務・労務相談への回答は行っていません。金額・条件は2026年10月時点の情報です。実際の申請では、勤務先・ハローワーク・市区町村および上記の公式情報で最新内容を必ずご確認ください。


コメント